読書メモ2

中公新書神道とは何か』読了。中盤からはやはり登場人物の多さと引用元の資料の多さによりとにかくただ読み進めていただけになってしまい、うまく頭の中でまとめられなかった。


終章のまとめがわかりやすいのでとりあえず記録しておこう。また読むときがあればそのときはさらに理解したいところ。


•古代においては神とは人間の内部にあって祀るー祀られるという関係で人と対峙しているものであったが、中世では「内なる神」として自分たちの心の内部に見出されるようになった。これは、神仏習合の深化の結果であり、仏教の利益衆生の思想を取り込んだからである。


•中世に誕生した神道流派であるが、本格的に仏教と独立するのは吉田兼倶による吉田神道の登場であり、密教の影響下にあったものの、仏教からの独立が認められる。


吉田神道吉川神道垂加神道、後期伊勢神道国学と推移し、国粋主義につながっていった。


•仏教との濃厚な関わりの中で展開した中世神道説の思惟を前提にしなければ、日本人の道徳的源泉とするような神道理解は成立しない。


めちゃくちゃ乱暴にまとめると、神道とは古代より連綿と続いてきたものではなく、いったん仏教に完全に取り込まれてしまい、そして仏教からまた芽生えてきた新しいものだってことですね。

時代に合わせて都合のいいようにエッセンスを使われてきたと。

だから、信仰として神道をあげるというのはとても難しいし、日本人の共通の内在的信仰であるのもまた間違いのないことなのである。